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[ケーススタディ] ログ分析によるモバイルRPGゲームのUX改善と収益向上戦略

ユーザーインタラクションログとゲームプレイログ → UX改善 → 購入ログの増加


イントロダクション

本ケーススタディは、A社が実施した実際のログ分析およびUX改善プロジェクトをまとめたものである。A社が運営するモバイルRPGゲームは、ユーザー離脱率の上昇とゲーム内課金のコンバージョン率の低下という問題に直面していた。プロジェクトの主な課題は、「どの指標を分析すべきか、またどのようにUXを改善すべきか」というものであった。

本ケーススタディでは、以下の3つの重要なログカテゴリーに焦点を当てている。

  • ユーザーインタラクションログ(User Interaction Logs)

  • マッチング/バトル(ゲームプレイ)ログ(Matching/Battle Gameplay Logs)

  • 購入およびゲーム内経済関連ログ(Purchase and Economy-Related Logs)



1. ユーザーインタラクションログ:ユーザー離脱ポイントとその原因

課題

  • チュートリアル終了直後のユーザー離脱率が急増。

  • 主要機能(ギルド加入、イベント参加、ゲーム内ショップ)のクリック率が予想を下回った。

分析方法

  • メニュークリックパターン: ボタンのクリック頻度とユーザーのナビゲーション経路を追跡。

  • 離脱ポイント: ユーザーがゲームを離れる画面と異常な滞在時間を分析。

主な発見

  • 複雑なメインロビーUI:

    • チュートリアル終了後に表示されるボタンが多すぎて混乱を招き、離脱が増加。

  • ギルド加入の問題:

    • ギルド加入ボタンが画面下隅にあり、クリック率が低下。


2. マッチング/バトルログ:ユーザー満足度低下の原因

課題

  • マッチング待機時間が長いことに対するユーザーの不満が継続的に発生。

  • 新規ユーザーが初期のPvPや協力モードをほとんど試さない。

分析方法

  • マッチング成功/失敗ログ: 待機時間、失敗率、再試行回数を評価。

  • バトル結果ログ: 勝敗記録とバトル直後の離脱率を分析。

  • 難易度調整: 難易度変化のカーブを評価。

主な発見

  • 中間レベルのマッチング問題:

    • レベル10付近でプレイヤーが不足し、待機時間が延長。

  • 高い参入障壁:

    • チュートリアルが短すぎてユーザーが高難易度コンテンツに早くさらされ、失敗後に即離脱。


3. UXの問題点と改善策

メインロビーの再設計

  • 必要なボタン(ギルド加入、イベント情報、ショップ)をシンプル化し、優先順位を明確化。

  • ギルド/イベントボタンの視覚的な強調によりクリックを促進。

初心者マッチングシステムの改善

  • 初心者のマッチング範囲をレベル1~10に拡大。

  • AIサポートを導入し、マッチング時間を短縮。

  • 難易度の移行をスムーズに調整。

チュートリアルの強化

  • チュートリアル後にも継続的なガイダンスのポップアップを提供。

  • 初心者クエストにショップクーポンやアイテムを提供し、初期のショップ訪問を促進。


4. 購入・経済関連ログ:UX改善が収益に与えた影響

購入ログ分析:改善前後の比較

  • 購入頻度: 約15%増加。

  • 通貨使用: 全ユーザーレベルで積極的な消費が増加。

  • コンバージョン率: 新規ユーザーのコンバージョン率が5%から8%に向上。

主な改善要因

  • ギルド参加率向上:

    • ギルド活動の増加がプレイ時間の延長とプレミアムアイテム購入の増加につながった。

  • 離脱率の低下:

    • マッチング待機問題の解決によりコンテンツ探索が増え、ショップ訪問回数が増加。

  • ショップへのアクセス性向上:

    • イベントや報酬のポップアップから直接ショップへ簡単にアクセス可能となり、購入の利便性向上。


結論:ログ分析を活用した好循環の構築

本ケーススタディは、ログ分析によりUXの問題を正確に診断し、戦略的な改善がユーザー体験と収益を大幅に向上させることを示しています。

  • インタラクションログでUIの複雑性と加入の障害を発見。

  • ゲームプレイログでマッチングの非効率性と難易度の急増を特定。

  • 上記の問題解決により、ゲーム内購入活動が活発化し、継続的な収益成長を実現。

継続的なログ分析によってUXを持続的に改善し、ユーザーエンゲージメントと収益性を同時に高めることが可能です。ぜひ、自社ゲームでも同様の方法論を導入し、良好な循環構造を築いてみてください。


 
 
 

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