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[ケーススタディ]RPG Game AのFTUE分析とストーリーベースRPGにおける設計インサイト

モバイルゲーム市場において、初回ユーザー体験(FTUE:First-Time User Experience)は、プレイヤーの定着や離脱を左右する重要な要素です。本ケーススタディでは、RPG Game Aの実際のFTUE調査結果に基づき、ストーリーベースのモバイルRPG開発に活用できるUXのインサイトを紹介します。


🎯 なぜFTUEが重要なのか?

  • 最初の30分がゲームの運命を決める:この間にプレイヤーは継続するか離れるかを判断する。

  • チュートリアル設計は没入感に直結:有益でありながら、体験の妨げになってはならない。


🔍 ステップ1:RPG Game AのFTUEに関する主な調査結果

1. チュートリアルとガイド不足 → 初心者が迷いやすい

  • 基本操作(岩を壊す、罠の解除など)の説明が不十分

  • クエストの目的や進行が不明瞭

2. スキップや早送り機能なし → 経験者にとってストレス

  • ストーリーは充実しているが、スキップできず、没入感が損なわれる

3. 装備/強化システムの説明が分かりにくい

  • 特定キャラしか装備できない仕様が分かりづらく、説明不足

4. ポジティブな評価ポイント

  • 探索とパズル要素が楽しい

  • 無課金でも十分な報酬が得られる

  • 高品質なビジュアルと音楽による没入感


Game Test Environment
Game Test Environment
🎤 プレイヤーの声:「自由度は高いが、習得が難しい。」「理解できないと詰まってしまう場面がある。」

🔁 Step 2: Comparison with FTUE Best Practices

重要項目

ベストプラクティス

RPG Game A

差異とインサイト

チュートリアル構成

ゲームプレイに自然に組み込まれる

チュートリアルが独立

没入感低下、自然な統合が必要

理解ベースの学習

行動→反復で習得

繰り返し・強化が不足

情報提示に偏り、理解が浅い

ユーザータイプへの対応

スキップ・要約・再確認が可能

スキップ・加速不可

熟練者の疲労感につながる

UIの注意誘導

ハイライトやミニマップでナビ

目的やUI構造が不明瞭

視線誘導・情報の優先順位整理が必要

初期フックの提供

30分以内に楽しさを体験

ギミックや報酬はあるが到達が困難

UXフロー最適化で導線短縮が必要


⚙️ ステップ3:ストーリーベースRPGのFTUE設計提案

✅ 1. ストーリーの中で自然に操作を学ばせる

  • 第1章で操作・ギミック・装備を導入

  • ボス戦で回避・武器変更を促すなど、実戦型チュートリアルに

✅ 2. 軽量かつ反復可能な導入設計

  • 新アクション導入→複数のクエストで反復出現(例:岩を壊すシーンを2〜3回)

✅ 3. チュートリアルのスキップ・再提示に対応

  • 「すぐ始める」/「丁寧に学ぶ」選択肢を用意

  • ヒントを任意タイミングで再確認可能に

✅ 4. 没入感を損なわないUI設計

  • 重要オブジェクトに対してセリフ連動のハイライト演出

  • 過剰なポップアップや複雑な操作説明を避ける

✅ 5. 30分以内に「物語×操作×報酬」を体験

  • ストーリー展開 → ボス戦 → アップグレード報酬 で達成感を提供

  • プレイヤーの行動がストーリー進行やキャラ育成に直結する構造を構築


🧭 結論:FTUEのゴールは“理解しながら没入する”こと

RPG Game Aはストーリーやコンテンツの質は高かったものの、FTUEの観点からは、情報不足・フィードバック遅延・学習設計の不備など課題が浮き彫りとなりました。

ストーリーベースRPGでは、チュートリアルと物語の境界線をなくし、プレイヤーが“自然に学べる”ような体験設計が重要です。

本ケースは、FTUEを単なる情報伝達ではなく「没入と自主学習のスタート地点」と捉えるべきことを示唆しています。



Face Cam for Eyetracking
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